
【クラブ取材】仲間を尊重し、社会で戦える人へ。FC CLIO 川崎が追求する「つなぐサッカー」と育成の哲学
Junichi FUKUDA
SportGraphWorks
仲間を尊重し、自ら考える力。つなぐフットボールで切り拓く未来への道 神奈川県川崎市中原区を拠点に活動する「FC CLIO 川崎」。ジュニア創設からジュニアユース立ち上げまでの軌跡、足元にこだわる独自のポゼッション論、徹底した人間教育に至るまで、安次嶺直一代表にお話を伺いました。

【チーム基本概要】
クラブ名:FC CLIO 川崎
設立:ジュニア 2013年/ジュニアユース 2022年
活動地域:神奈川県川崎市中原区
主な練習会場:多摩川河川敷、富士通スタジアム、コスタ川崎 など
対象:ジュニア・ジュニアユース(所属選手:約140名/Jr.JY含むチーム生)
練習日程:火曜日〜日曜日(平日練習 17:30〜20:00)
所属リーグ:神奈川県U-15リーグ3部、神奈川県U-13リーグ2部
主な戦績:JY 2024年クラブユース関東大会出場、Jr 日産カップ県ベスト8
指導体制:スタッフ11名(JFA公認B級〜D級ライセンス保持)

ジュニアからの継続育成と、年代に応じた「勝利志向」への進化
——本日はよろしくお願いします。まず、2013年のジュニア創設から、2022年にジュニアユース(JY)を立ち上げるに至った経緯を教えてください。
安次嶺代表:よろしくお願いします。ジュニアを立ち上げた当初は中学生のカテゴリーまで深く考えていなかったのですが、スタッフやスクール生が増えていく中で進路の課題が出てきました。強豪チームに進む子もいれば、進路に悩んだり部活を選ぶ子もいる。それなら「自分たちで責任を持ってジュニアユースを作るべきだ」とスタッフと話し合ったのがきっかけです。 実は立ち上げの2022年は狙ったタイミングでもありました。僕が幼稚園の頃から教えていた代が6年生の時に「日産カップ(県大会)」でベスト8に進出するなど非常に成果が出ていた代だったんです。主力数名は強豪クラブへ進みましたが、残ってくれたメンバーも力のある子たちばかりで、彼らとなら「最初の期から結果を出せる」という手応えがありました。
——そのJY1期生が見事に2024年のクラブユース関東大会出場を果たしました。自チーム(ジュニア)からの継続育成による強みはどこにありますか?
安次嶺代表:最終的なスタメンを見ると、やはりジュニアからの生え抜き選手が多い印象です。うちは徹底して足元の技術(止める・蹴る)や状況判断、ビルドアップを愚直に叩き込んできます。他チームから入ってくる子は、キックやフィジカルに長けていても技術や組織的なつなぎを知らないことも多い。 高校年代へつなげるためにも、単に縦へ放り込むようなサッカーではなく、状況に応じて判断し、しっかりボールをつないでいく。このベースが身についているジュニア出身の選手たちが、チームを引っ張ってくれていますね。高校のスカウトからの評価や進路面でも、自チーム出身の選手が一番成果を出してくれていると感じます。

——年代ごとに「勝利志向」を高めていくという指導方針について教えてください。
安次嶺代表:中学1年生(U-13)の段階では、まず11人制の動き方やシステム、ポゼッションをメインに指導します。リーグ戦でも「自分たちのスタイルで勝つ」ことを最優先し、無理に遠くへ蹴ることはさせません。 これが中学3年生(U-15)になってくると、泥臭かろうが相手を徹底的に分析しようが「何が何でも勝つ」という勝負強さを意識させます。勝利のために蹴ることが必要なのであれば、それも正しい判断として認めます。年代に応じた段階的なグラデーションをつけて指導しています。

仲間を尊重する姿勢と、高校年代でも活きる「真面目さ」の評価
——クラブ名「CLIO」に込められた理念と、サッカー以外の人間的成長へのアプローチについて教えてください。
安次嶺代表:CLIOは「Clever(思考力)」「Leadership(統率力)」「Idea(発想力)」「Organization(組織力)」の頭文字を取っています。 人間性の部分で一番厳しく伝えているのは「いじめは絶対に許さない」ということです。中学時代はスマホの普及やグループLINEなどでトラブルが増えがちな時期ですが、他人を思いやる気持ちやリスペクトがない選手は大成しません。サッカーは仲間や相手がいて初めて成立するスポーツですから。 徹底して仲間意識を伝えている甲斐もあり、僕が把握する限りいじめはありません。どの学年もみんなお互いを尊重し、強い仲間意識を持って最後までサッカーに向き合ってくれています。

——卒業生(1期生・2期生)の高校での評価や評判はいかがですか?
安次嶺代表:共通して言われるのは「とにかく真面目で、黙々と練習に取り組む」ということです。上手い下手に関係なく、真面目に取り組む姿勢を評価していただいています。高校でサッカー部に入って途中で辞めたという子は一人も聞いていません。 Jユースに進んだ選手をはじめ、出番の有無にかかわらず全員がしっかりと自分と向き合い、真摯に取り組んでくれています。

目指すは全国大会。そして卒業後も「帰ってこられる場所」づくり
——今後の目標と、将来的にどのような選手を輩出していきたいか教えてください。
安次嶺代表:1期生が関東大会に出てくれたので、次なる目標は当然「全国大会出場」です。北海道で全国大会を視察した際、自分たちの立ち位置やどうすればそこに届くのか、なんとなくイメージが湧いてきました。親交のあるチームも全国に行っているので、僕たちも必ずそのステージへ挑みます。 将来像としては、プロや日本代表選手の輩出はもちろんですが、一番は「自分が決めたことに対して社会に出ても愚直に向き合える人間」に育ってほしいということです。 また、将来大人になった時や壁にぶつかった時に、いつでも帰ってこられるような温かい受け皿・環境を作っていきたい。選手として、あるいは指導者やスタッフとして、これから先も一生サッカーを通じて付き合っていけるような関係性であり続けたいですね。


【取材を終えて】 インタビュー中、安次嶺代表の言葉からは選手たちに対する深い愛情と信頼が強く伝わってきました。勝利を追求する技術指導だけでなく、「仲間を思いやる心」や「真面目に物事に向き合う姿勢」を何より大切にする温かい指導方針。ここで心身ともに逞しく育った選手たちが、高校やその先の未来でどのような飛躍を見せてくれるのか非常に楽しみです。





【クラブインフォメーション・進路案内】
■ 卒団生(1期生・2期生)の主な進路実績
・クラブチーム:FC横浜ユース、FCトリプレッタ渋谷
・県内高校:桐蔭学園高校、日本大学高校、川和高校、荏田高校、県立川崎高校、横浜総合高校、多摩高校、市立橘高校、横浜高校、川崎工科高校、中央大学附属横浜高校、武相高校、橘学苑高校、クラーク記念国際高校
・県外高校:駒澤大学附属高校、東海大学附属高輪台高校、東京実業高校、大森学園高校、青陵高校、朋優学院高校、國學院高校、東京学芸大学附属高校、多摩大学目黒高校、佐賀龍谷高校、岡山作陽高校、日大明誠高校、日大鶴ヶ丘高校、品川翔英高校 ほか
■ 練習日程 ・火曜日〜日曜日(平日練習:17:30〜20:00)
■ お問い合わせ
代表者:安次嶺 直一
TEL:080-3688-9024
MAIL:fccliokawasaki2022@gmail.com
公式サイト:FC CLIO 川崎公式HP
取材時の写真はこちら
