
【クラブ取材】限られた環境からプロや代表選手が羽ばたく理由。JFC FUTUROが貫く「100%の情熱」と柔軟な育成論
Junichi FUKUDA
SportGraphWorks
真剣勝負が生む人間的成長。地域に根差し、一生涯サッカーと付き合えるクラブを目指して、神奈川県横浜市泉区を拠点に活動する「JFC FUTURO」。横浜市大会でのタイトル獲得や関東大会出場といった輝かしい実績に加え、数多くのプロ内定選手や各年代の日本代表選手を輩出し続ける強豪クラブです。代表を務める都倉勇樹氏に、クラブの歴史や指導理念、トップレベルへ届く選手の共通点、そして今後の未来像についてお話を伺いました。

【チーム基本概要】
クラブ名:JFC FUTURO
設立:2010年
活動地域:神奈川県横浜市泉区
主な練習会場:Jフットサルクラブ(平日)、かもめパーク など
対象:U7〜U15(ジュニア・ジュニアユース)、ガールズ(U9・U12・U15)、TOPチーム(所属選手:約140名以上)
練習日程:火曜日〜日曜日(平日練習は学年別に実施)
所属リーグ:U-12 TOPリーグ1部/U-15 神奈川県リーグ1部・4部/U-13 神奈川県リーグ2部・4部
主な戦績:2026年度 クラブユース選手権関東大会2回戦進出/2025年度 横浜市春季大会U-12優勝、横浜国際チビっ子大会U-12 1部優勝/2024年度 横浜市市長杯U-11優勝
指導体制:スタッフ20名(JFA公認B級3名、C級4名、D級2名、GK LV1 1名 ほか)


偶然の出会いから始まった指導者人生。受け継いだクラブのバトン
——本日はよろしくお願いします。まず、都倉代表がJFC FUTUROに関わるようになったきっかけから教えてください。
都倉代表:よろしくお願いします。元々は僕自身、趣味の遊びでフットサルをやっていたんです。その時にここの「Jフットサルクラブ」を利用していたのですが、当時のオーナーから「一緒に指導をしていかないか」と声をかけられたのが始まりです。そこで実践を通じて指導者としての経験を積み重ねていきました。

——2010年の創設から全国大会出場などの歴史を重ねてきたクラブですが、2017年に前代表からバトンを受け継ぎ、代表に就任されました。当時の心境はいかがでしたか?
都倉代表:それまで築き上げられてきた歴史や実績、そして素晴らしい選手や保護者の方々との信頼関係をしっかりと引き継ぎつつ、このチームを残し、さらに進化させていかなければならないという責任感を感じていました。最初はとにかく「チームを残し、安定させること」に必死で向き合ってきたというのが本音ですね。

「100%でやる」がすべてのベース。個性を型にはめないスタイル
——JFC FUTUROは小学生から中学生、ガールズまで数多くのカテゴリーを抱え、各年代で結果を残されています。全カテゴリーを通じてコーチ陣が共通して大切にしている軸は何でしょうか?
都倉代表:うちはとにかく「常に100%でやる」「泥臭く頑張る」という部分を一番大切にしています。良い意味での“昭和っぽさ”というか(笑)、練習中から全員で声を出し、走りのトレーニングでも一切手を抜かせません。プレー面でも「球際は強く行く」「ゴールを目指す・ゴールを守る」というシンプルな部分に特化しています。 特別「ポゼッションをしよう」とか「ブロックを敷いて守ろう」といった戦術的な型をチームとして固定しているわけではありません。その時々にいる選手の特徴に合わせ、勝ちたいと思っている選手たちが「勝つためにどうすべきか」を聞きながら進めています。

——型にはめない指導法には、どのような意図があるのでしょうか?
都倉代表:ジュニアからジュニアユース、高校、大学、あるいはその先のプロに至るまで、選手たちは置かれる環境やチームが変わっていきます。プロになっても色々なチームを転々とする選手がほとんどなので、その先々で与えられた役割にちゃんとフィットし、生き残っていける選手になってほしいんです。 だからこそ、特定のやり方にカチッとはめるのではなく、ベースとなる「100%で戦う姿勢」を持ちながら、いろいろな状況に柔軟に対応できる力を育てることを重視しています。

プロや代表選手に共通する「ガッツ」と「悔しがれる強さ」
——奥田悠真選手(川崎フロンターレU-12〜U-18を経てジュビロ磐田U-18)や吉田湊海選手(鹿島アントラーズ内定・U-19日本代表)、中村琉聖選手(横浜FC内定)をはじめ、プロ選手や世代別日本代表を多数輩出されています。トップレベルへ羽ばたく選手たちの小・中学生時代に共通していたものは何でしょうか?
都倉代表:やっぱり「普段の練習や紅白戦から、こちらが言わなくても自分から100%で取り組めること」ですね。ガッツがあるタイプで、本気で戦い、負けたら本気で悔しがり、勝てば全力で喜ぶ。そういう熱量を自分自身で持っている選手たちでした。
——技術面や戦術面で、プロを出すために特別に落とし込んでいるメニューなどはありますか?
都倉代表:戦術的・技術的に特別なものを落とし込んでいるということは、全くないです。技術ももちろん大切ですが、ポジションや選手の特徴によって必要な技術は違います。まずは「負けたくない」「100%でやる」という気持ちの部分があれば、必要な技術は後から後天的についてくるものだと考えています。

——平日はフットサルコート主体の練習環境でありながら、これだけの成果と人材を出せるのは指導陣にとっても大きな自信になっているのではないでしょうか?
都倉代表:そうですね。平日は1時間半という限られた時間で、多いときはフットサルコートに20人〜30人が入ることもあります。一見すると「恵まれた環境」ではないかもしれません。 でも、だからこそスタッフ陣も「こういう環境でも、自分たちの教え方でプロになれるんだ」という確固たる自信を持って選手に伝えられています。初蹴りなどでOBたちが来て一緒にボールを蹴ってくれたり、プロになる前に挨拶に来てくれることも、現役の子どもたちにとって大きなモチベーションになっています。

勝負にこだわるからこそ「自分で考え、成長できる」
——チームの指針にある「勝つためにやるべきことを考え全力で闘う」という言葉の真意について教えてください。
都倉代表:子どもたちが一番100%の力を発揮し、成長できる場こそが「勝ちにこだわる真剣勝負の場」だからです。ただ、全力でやったからといって必ず勝てるほどサッカーは甘くありません。 勝つために何が足りなかったのか?「走力が足りないなら走りを増やす」「トラップミスが多いなら技術を磨く」「相手のスピードに対応するためにカバーリングを工夫する」といった思考が生まれます。勝ちに真剣に向き合うからこそ、自ら頭を使い、コミュニケーションが生まれ、努力するプロセスが育まれるんです。

——ピッチ外での人間形成や、高校側からの評価はいかがですか?
都倉代表:クラブとして「5つの行動指針」と「7つの約束(挨拶をする、自分でできることは自分でやる、時間を守るなど)」を開示し、社会に出てからも必要な当たり前の基準を徹底させています。卒団生が大人になってラーメン屋を起業した際も、この行動指針を元にお店ルールを作ったと聞いて嬉しかったですね。 進学先やトレセンの指導者の方々からも「とにかく元気がいい」「声がよく出る」と評価していただきます。コミュニティの中心になれる人間を育てたいと思っているので、高校でキャプテンを任される選手が多いのも私たちの誇りです。

地域に愛され、一生涯サッカーを通じて繋がれるクラブへ
——最後に、都倉代表が描くこれからのJFC FUTUROの未来像についてお聞かせください。
都倉代表:これまではチームを安定させることに必死でしたが、ここからは地元・横浜市泉区を中心とした地域貢献や、社会に良い影響を与えられる活動をしていきたいです。近隣の介護施設と連携して子どもたちの元気な姿を届けたり、地元企業との関わりを深めていきたいと考えています。 将来的にはフルピッチの専用グラウンドを持ち、U7からジュニアユース、ユース、TOPチームまで一貫して育成できる体制を整えたいですね。Jリーグ参入を目指すというよりは「街クラブナンバーワンクラブ」として、天皇杯挑戦や社会人からのプロ入りを目指せるような、一生涯サッカーを通じて付き合っていける集団であり続けたいと思っています。

【取材を終えて】 「恵まれた環境だから強くなるのではない。日常を100%で戦うからこそ強くなる」——都倉代表の言葉には、愚直なまでにサッカーと子どもたちに向き合ってきた重みがありました。 勝利の先にある人間の成長を信じ、熱い情熱を注ぎ続けるJFC FUTURO。ピッチ上で弾ける子どもたちの笑顔と力強いプレーの裏には、どこへ行っても力強く生きていける「心の逞しさ」がしっかりと育まれていました。






【クラブインフォメーション・進路案内】
■ 主なプロ・代表輩出実績
・奥田 悠真(JFC FUTURO〜川崎フロンターレU-12/U-15/U-18〜ジュビロ磐田U-18/トップ加入内定)
・古宿 理久(横浜FC〜水戸ホーリーホック〜YSCC横浜〜高知ユナイテッドSC)
・奈良坂 巧(町田ゼルビア〜カマタマーレ讃岐〜ギラヴァンツ北九州)
・寺門 陸(横浜F・マリノス〜レノファ山口〜モンテディオ山形〜鹿児島ユナイテッド〜カターレ富山)
・田中 慶汰(福島ユナイテッドFC)
・森重 陽介(清水エスパルス〜シアノルテFC〜FC Nõmme United)
・中村 琉聖(横浜FC内定)
・新井 萌禾(FC十文字Mare〜セレッソ大阪ヤンマーレディース/U-20日本代表)
・前田 勘太朗(横浜FC/U-17日本代表)
・吉田 湊海(鹿島アントラーズ内定/U-19日本代表)
・坂本 順平(YSCC横浜〜ソニオ高松)ほか
■ 卒団生(10〜12期生)の主な高校進学実績
・(県内校)日本大学藤沢高校、桐光学園高校、桐蔭学園高校、湘南学院高校、平塚学園高校、横浜隼人高校、東海大相模高校、三浦学苑高校、湘南工科高校、横浜商科大学高校、日本大学日吉高校、戸塚高校、旭高校、光陵高校 ほか
・(県外校)日本航空高校(山梨)、第一学院高校、国士館高校(東京)、駒沢学園高校(東京)、明秀学園日立高校(茨城)、仙台育英高校(宮城)、磐田東高校(静岡) ほか
・(Jユース・社会人)SC相模原U-18 ほか
■ 入団情報・体験会
・セレクション:毎年6月〜9月頃実施
・体験会:公式HPの専用フォームより随時受付中
■ お問い合わせ・公式サイト
代表者:都倉 勇樹
TEL:045-815-2882
MAIL:jfc_futuro@0458152882.com
公式サイト:JFC FUTURO公式HP
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